前回までの内容はこちら。
【ポタオデ】いい音を目指して(はじまり)
【ポタオデ】いい音を目指して(イコライザ)
前回はイコライザいじりをやってみました。
ただ、やり始めると面倒くさく、果たしていい音になっているのかと途中から分からなくなることもあるかと思う部分です。
そこで今回は、少しお金を出してイヤピースを変えてみたいと思います。
イヤピースというのは、カナル型イヤホンの先っちょに着けているあの「ゴム」のやつです。
「そんなもん変えても音なんて同じでしょ?」
いえいえ、そんなことはございません。
結構変わるものですよ、これが。
イコライザほど柔軟ではありませんが、種類によって特性があるんです。
今回はそれを検証してみたいと思います。
※個人的な意見です。参考までにおねがいしますね。
検証環境は、プレーヤーがAstell&Kern AK380、イヤホンがUltimateEars UE900、リケーブルがAUDIOTRAK Re:Cable SR3です。
■標準イヤピース(基準)
UE900というのは標準でたくさんイヤピースが付属しています。
なんとあのコンプライのイヤピースも付属しています。
とりあえずはゴムの普通のやつを基準値として設定します。
低音:★★★
中音:★★★
高音:★★★
遮音性:★★★
コメント:普通に聴く分には十分な音質だと思います。が、少し音が暴れがちかな?
なお、ここからは評価点はイヤホン付属のゴムイヤピースを「★★★」として、相対評価を行います。
「★★★★★」だからと言って良いわけではなく、「★」だからと言って悪いわけではない点を先に言っておきます。
■COMPLY COMFORT
有名ですよね、コンプライ。
低反発ポリウレタンでできているイヤピースです。
低音:★★★
中音:★★★
高音:★★
遮音性:★★★★
コメント:高音が少し抑えられ、全体的に音に重みが出ます。雰囲気が重くなるわけではなく、物腰が柔らかくなる感じです。付け心地はよく、また耳にフィットするので遮音性が上がります。欠点としては若干高価なこと、また使い続けると劣化してボロボロ崩れてきますので、2、3か月に一度、新品への取り替えを行った方が無難です。新調すると音もフレッシュになります。(今回の評価に使ったものは若干劣化気味かも。。。)
■JVC Spiral Dot
ダクト部分にくぼみが螺旋状になるようにあるイヤピースです。
ドットが見えるように写真を撮ったつもりだったんですが、圧縮時につぶれてしまったようです。。。かろうじて見えるかも・・・
見た目は標準のゴムのものと同じです。
低音:★★★
中音:★★★
高音:★★★
遮音性:★★★
コメント:音の感じは標準のゴムものとあまり変わりません。しかし標準イヤピースでは拡散していた音がこのイヤピースを装着することでまとまり、すっきりした音になります。コストもかからないので、無くして買い替える際はベストチョイスだと思います。
■MONSTER SuperTips(フォーム)
「ザ・ゴム」と言えるくらいゴムゴムしているイヤピースです。ゴムの塊みたいなイヤピースです。
このイヤピースはかなり大きいので、普段Mサイズ位を使っているならばSや、XSサイズでちょうど良い大きさです。
ちなみに、これはSサイズです。カラーバリエーションはありませんが、サイズによって色が違い、例えばMはメタリックなグレー、Lはシルバーです。
低音:★★
中音:★★★★★
高音:★★★
遮音性:★★★★
コメント:中音域、特にボーカルが前に出てくるようになります。低音が弱めで、高音もそれほど強目には出ないため、アタック感は弱くなります。遮音性は高目です。
■MONSTER SuperTips(ジェル)
ゴムの中にジェルが入っている変わり種のイヤピースです。
SuperTips(フォーム)と同様に、普段Mサイズ位を使っているならばSや、XSサイズでちょうど良い大きさです。
これはSサイズです。なおSuperTips(フォーム)と同様にカラーバリエーションはありませんが、サイズによって色が異なります。
低音:★
中音:★★★
高音:★★
遮音性:★★★★
コメント:非常にクリアな感じになります。低音は全くと言っていいほど出ず、SuperTips(フォーム)と比べてもアタック感は相当弱いです。好きな人は好きな音かも。。。ただし、フォームと同じく遮音性は高めです。
■SONY ノイズアイソレーション
傘と軸の間にウレタン(スポンジ)が入っているイヤホンです。
低音:★★
中音:★★★
高音:★★★
遮音性:★★★★
コメント:基本的には標準のイヤピースのときの音をベースとして、遮音性を高め、音の広がりを少し増やした印象になります。このイヤピースはソニーのイヤホン専用で製造されている都合上、UE900に対しては非常に取り付けにくく、外しにくい仕様になっています。装着できても外すのに手間取り、無理やり外そうとすると内部のウレタンを破ってしまうことも。。。
この製品は生産が終了しており、一部ではプレミア価格で取引されているそうです・・・
■SONY トリプルコンフォート
傘が独自開発のシリコンでできているイヤピースです。
メーカーによると水洗いしてもいいそうです。
低音:★★★★
中音:★★★★
高音:★★★
遮音性:★★★★★
コメント:非常にバランスが良く、アタック感もあるので、気持ちのいい音になります。ノイズアイソレーションほどではありませんが、UE900に取り付けにくく、外しにくいです。傘を破らないように注意が必要です。そこまで使い込んでいないので今時点では不明ですが、触った感じがコンプライのようなので、そのうち劣化してしまわないかが心配です。
■茶楽音人 SpinFit -Single Blade-
何かと話題に上がるイヤピースです。
ゴムですが、ダクトの部分に軸があり、耳の内部を沿って奥までしっかり装着できるという特徴があります。
低音:★★★★★
中音:★★★
高音:★★★
遮音性:★★★★
コメント:全体的に音が重みを増し、力強い音になります。かなりお勧めです。初めて装着した時の装着感は若干違和感を感じるものの、すぐに慣れます。ただし、装着を誤るとスカスカの音になってしまうので、ちゃんと耳にはめ込みましょう。遮音性は高めです。
■茶楽音人 SpinFit -Twin Blade-
先ほどのSpinFitの傘が2重になっているモデルです。
低音:★★★
中音:★★★★
高音:★★★★★
遮音性:★★★★★
コメント:中音域から高音域にかけてどんどん強調されていきます。低音は出ていないわけではないですが強力になりすぎた高音の陰に隠れてしまっている印象で、かなり攻撃的な音に変化します。装着が甘いと低音は弱くなり、より攻撃的な音になります。UE900とSR-3の組み合わせがもともと若干攻撃的なので、銅素材のケーブルと組み合わせるとより良いかもしれません。遮音性は通常版よりも高いです。
■MONSTER トリプルフランジ
2重があれば3重があるんです。
SpinFitと同じ構造ではありませんが、ダクトが柔軟に動くので、耳の奥までニュルニュル入っていきます。
低音:★★★★
中音:★★★★
高音:★★★★
遮音性:★★★★★
コメント:純粋にいい音になります。低音~高音までバランスが良く、アタック感もほどほどにあるので音自体は非常に気持ちのいい音に仕上がります。ただし、装着感は賛否があるでしょう。初めて装着した時は相当な違和感を感じるはず。慣れるには少々時間がかかるでしょう。痛いと感じたら使用しない方がいいです。遮音性は非常に高いです。
MONSTER製はもう売ってません。Xcessorというメーカーで同じような製品を見つけたので、その覚悟があるならばお試しあれ。
SHURE製もありますが、これはたぶんUE900へは装着できません・・・(SHURE製はノズル部分が細いので・・・)
■イヤピース編終了
総評としては、コスパ重視はJVCのSpiralDot、トータルバランスが良いのはSpinFit(Single/Twin Blade)、音質重視はSONYのトリプルコンフォート、MONSTERのトリプルフランジです。
特に外出して使うなら低音が強めに出るSpinFit(Single Blade)、トリプルフランジがお勧めです。
イヤピース選びで重要なのは、試聴してみるのもそうですが、何よりも自分の耳に合ったサイズを選択することです。
合わないサイズの物を付けると空気が抜けたようなスカスカな音になってしまうので、適切なサイズを選択することが大前提です。
見た目で選ばず、店頭でしっかり試着してみることが重要です。試聴はちゃんと装着できてからですよ!
私のは目測と経験で仕入れてきましたが(笑)
種類は他にもいろいろ出ているので、是非お試しあれ。
それでもどうしても合う物がない! という場合は、なんとオーダーメイドができますよ!
オーダーメイドイヤピースです。高価で、さらに条件はあるようですが、興味があればぜひやってみては?
(e☆イヤホン様のHPへリンク → http://www.e-earphone.jp/html/page263.html)