7月も半分を過ぎました。
しかしやっぱり暑いですね;
今の常識は、寝ている間もクーラーは切らないことだそうですよ?
さてさて、そんな中実施されたポータブルオーディオフェスティバル、通称ポタフェス!
ポータブルオーディオという分野はスマホでMP3を聴く人から、果てはそれはポータブルなのかと疑問を呈したくなるようなものを持って聴いている人まで、誰もが触れたことがあるであろうジャンルです。
今回私はスマホやウォークマンの標準装備で音楽を聴いている友人2人とポタフェスへ行ってまいりました。
とはいえ、中に入ると完全に別行動になってしまいましたが・・・
彼らはイヤホン試聴を中心に回っていたようです。
私もそうでしたが、標準で機器に付属しているイヤホン以外の音というのは買い替えるほどの意味があるのかと思ってしまうところでした。でも一度聞くとその違いが分かるものです。
私の場合は、イコライザで頑張って音を自分好みにしていたのに、イヤホンを変えるだけでそのイコライザで調整した後の音が出てしまった、というショックΣから始まりました。そこからは泥沼です・・・
さて、私はとりあえず新しいイヤホンはいいので、相棒のTITANの性能を引き出してくれるリケーブルの探索と、ついでにAK A&ultima SP1000の試聴が最大の目的としての行動です。
Astell&Kern A&ultima SP1000の試聴をとりあえず先に行ってみましょう。
先に言っておきますが、SP1000には買い替えるつもりはないです。AK380が好きですし、実際問題として値段が高い! 2年スパンで40万円クラスの音楽プレーヤーを買い替えられるほど潤ってはいませんので。。。
でも1回聴くくらいなら。。。
UIの動きはAK380とは比べ物にならないくらい軽快ですね。8コアCPUが効果を発揮しているんでしょう。
肝心の音質ですが、ステンレス(SS)モデルは臨場感・解像度がとにかく素晴らしい! CD音源もあんな風に聴こえてしまうんですね! ずっとハイレゾ音源聴いてるのかと思ったら、44.1kHz 16bitの表示を見て目を疑ったものです。残念ながらAK380(アンプなし)とは比べ物にならない。。。ポタアン付けてもどこまで及ぶだろう。
銅(Copper)モデルはさらに音に深みがある印象。音が体に響き渡る感じがします。
SSモデルでもCopperモデルでもAK380からのアップグレードパスになり得ますが、どちらを選ぶかは、外に持ち出す以上は安い方でいいと思います。外に出てしまえば差を感じることはできないでしょう。家の中でゆっくり聴くときはCopperの音の方が好みでした。
よくよく考えてみれば、TITANの目立つ高音が完全にコントロールされていたのが良かったですね。
少しじゃじゃ馬みたいなところがありますので、TITANとCable009の組み合わせ時の高音は。。。
それでは本題のTITANへの最適リケーブルを探す旅を始めていきましょう。
3ブース、5本を試聴してきましたのでその個人的感想です。
【WAGNUS.ブース】
http://wagnus.exblog.jp/
WAGNUS.さんのところでは、2本試聴させていただきました。
Cumulus AirとDiamond Dust type “aenigma”です。
Frosty Sheepも聴いてみたいんですが、聞くところによるとFrosty SheepのFitEarタイプのオーダーは少ないそうで、試聴機を用意できないんだとか。音は断然良くなるということですが、10万円オーバークラスのケーブルとなると試聴なしでのケーブル購入は少しばかり無謀ですね。。。 別に試聴なしでもいいんですが、そのときはExtreme Edition一択ですよ。
● Cumulus Air
先週発表されたWAGNUS.さんの新リケーブル、Cumulus Air(キュムラス・エア)です。
(HP紹介文抜粋)世界最高峰のPTFE ET絶縁と高精度純銅の超高純度銀メッキを使った、非常にレアなワールドクラス軍用ワイヤーになります。そのサウンドは突き抜ける高域とそれを追いかける中域、グルーヴィなベースのドライブ感が合わさった非常にエモーショナルで瑞々しさにも溢れた響きを与える仕上がりとなっています。個々の解像感、立体感、分離感も一定水準以上のポテンシャルを誇り、またスピードレスポンスも抜群で位相特性にも優れたケーブルです。線材自体も柔らかくしなやかで、Meridianと同等かそれ以上の取り回しの良さがあります。(紹介文抜粋ここまで)
初めて聞くと、エージングが十分ではない可能性もあるにもかかわらず、3万円クラスということは忘れて聴き入ってしまいそうな音を奏でてくれました。
Cable009と比較するとパワーは控えめですが、TITANが得意とするクリアサウンドはそのままに気持ちのいい音を出してくれます。
TITANにはアンプがないと完璧にドライブできないという声が聞かれますが、Cumulus Airであればアンプ不要でも普段使いでTITANを気持ちよく使えるやもしれません。
TITANは標準でケーブルが付属しませんので、Cumulus Airはファーストパスとしては強力すぎる選択肢となり得ます。
● Diamond Dust type “aenigma”
WAGNUS.さんが誇るDiamond Dustシリーズの弩定番、aenigma(エニグマ)です。
抜群の位相特性を持ち、非常に高い解像度とバランスでもって音を表現する、どんなイヤホンにも合うケーブルです。
(HP紹介文抜粋)最大の特徴は1ランクも2ランクも上といえる「位相特性」の良さ。そのケーブル構造からくる超高域・高域・中域・低域の周波数の繋がりが完璧で音像定位描写が完璧で、音のスピード感がビシッと感じます。それに伴い非常に高い解像度と空間の隙間の美しさ、美しい粒子のような音描写、そして自然な音バランスの良さは唯一無二といえる美音を奏でます。その為、マスタリングスタジオで仕上げたれていたサウンドを如何なく表現し、NOBLE AUDIOのような位相特性に優れたイヤホンとの組み合わせで最高のパフォーマンスを発揮します。また取り回しもかなり良いとえいます。ブルガリア製(USSR供給)の超レアな冷戦時代の軍用オーディオ機器ワイヤーを仕様したスペシャルなスーパーリミテッドケーブルです。(紹介文抜粋ここまで)
TITANと使用すると、Cable009と比べると高音を抑え、低音を強調したような傾向の音になりました。
Cable009もaenigmaも全ての音域を完璧に鳴らしますが、高音寄りのCable009、低音寄りのaenigmaといったところでしょうか。
音質も大人しくなったと思います。Cable009がギラギラした音と表現するならば、aenigmaはキラキラした音です。それくらいCable009はコースアウト寸前の攻めに攻めた強烈な音を出してきます。
aenigmaは音の勢い殺さずに安定したきれいな音を奏でてくれます。
AK380+AMPの音はもともと高音が強目なので、組み合わせとしては良い選択肢かもしれません。
・・・それくらい得意のイコライザで何とかしたらええやんって? AK380のイコライザ、面倒くさいねんw
それに、あのきれいな音はDiamond Dustならではだと思います。価格も5万円クラスになってくるので、リケーブル2本目など、アップグレードパスとしては最適だと思います。
【ORBブース】
http://www.orb.co.jp/audio/index.html
ORBさんのところでは1種類の試聴です。
・・・こういってしまってはあれですが、ORBさんはイヤホンのリケーブルよりはピュアオーディオのACタップが欲しいなーって思っているところでして、本当はこちらの話が聴ければ文句なしだったんですが、まぁポタフェスなので仕方ないです。。。
●Clear force
ORBさんところのリケーブルの代名詞、Clear forceです。
(HP紹介文抜粋)徹底したノイズ対策を施すことにより、高いS/N比を実現したリケーブルです。徹底した部品選定を行うことで、より微細な信号までもロスなく伝送することができるケーブル構造を実現しました。また、適切な組み付けにより音声信号の伝達における抵抗を抑制、低域から中高域までクリアで臨場感溢れる音場を表現します。(紹介文抜粋ここまで)
TITANでの使用感ですが、音はフラット目でアタック感は控えめではありますが、臨場感あふれる音場を、と謳っているように低音~中音域にかけての音の広がりを感じることができました。ただし、この音の広がりがぼやけに感じることもあるので、過度の期待は禁物です。
なにやらFitEarの須山社長のお墨付きなんだとか?で、ブースの人はものすごく推してきてくれましたが、たしかに音の傾向はCable009と似ているところもあると思いますが、FitEar純正のCable009と比較するのは間違いです。。。
でもまぁ、価格も2万円ということで、ケーブルなしのTITANのファーストパスとしては◎だと思います。
【Brise Audioブース】
http://briseaudio.jp/
Brise Audioさんのところでは2本リケーブルを試聴させていただきました。
● UPG001Ref.(4芯)
(HP紹介文抜粋)UPG001Ref.は、弊社イヤフォンリケーブルUPG001シリーズの集大成となるケーブルです。イヤフォンリケーブルとして現時点で可能な全てを注ぎ込み開発いたしました。ポータブル向けに新開発のケーブルは高機能高純度導体を採用し導体量を大幅に増やしつつそれによるデメリットを排除しメリットを最大限生かした設計です。UPG001Ref.に採用の純銅プラグ&ロジウムメッキ 4極2.5mmプラグは、重心の低さと低域の量感を保ちつつ高域の輪郭感を表現できるメリハリあるの音質が特徴です。4極2.5mmプラグとして非常に高品位なプラグです。(紹介文抜粋ここまで)
ケーブルがぶっといです。4芯でもぶっといです。それでもさすがに取り回しはCable009よりは良いです。
音質はフラットで、全く無駄がない良い音が聴けます。すべてのお手本になるような音ですが、プレーヤー側はそこそこパワーが必要です。今までのWAGNUS.さん、ORBさんのケーブルを試聴していたとき、AK380+AMPの高ゲインモードでの試聴ボリュームは65前後でしたが、このUPG001Ref.で満足の音を出そうと思ったら75くらいまでは上げたいところ。
こちらのケーブルは価格が6.5万円で、アップグレードパスとしての候補だと思います。
● flex001
(HP紹介文抜粋)UPG001Ref.をはじめ、BriseAudio高品質ケーブルと同様に、純度と結晶構造を工夫した高機能高純度銅を採用。線材の構造と構成を新設計することで大幅に取り回しを改善しました。更に、原理的にノイズに強い構造を採用し、伝送ロスを極力抑える工夫を施すことで高解像度で抜けが良くフラットバランスで広がりのある音質と取り回しの良さを高レベルで実現しました。(紹介文抜粋ここまで)
UPG001Ref.と比較しても遜色のない音質ですが、プレーヤー側の出力を上げすぎると音が崩れたり、下げすぎると物足りなさを感じ始めたりということがありました。アンプ不使用時の常用ケーブルとしての使用が最適だと思います。価格も2万円なので、言わずもがなTITANのファーストパス候補です。
今回は日本メーカーのリケーブルばかりになってしまいましたが、どれも素晴らしいケーブルでした。Cable009からのアップグレードとなると相当候補は限られてくると思いましたが、普段の使い方を加味するとそういうこともないのかもしれません。とはいえ、Cable009もユニークなケーブルですし、SP1000で使用するとより高品位な音になるということもあり、実に悩ましい分野ですね。
次はBeatAudioなど海外メーカーのリケーブルを試してみたいと思います。