Technics EAH-T700用リケーブルを作る ~試作編~

Technics T700 x Zonotone 1200Q

この前、アキバを歩いていたら、UE18Proの右のドライバーがケーブルから外れて地面に落ちて、シェルが割れました・・・(泣)

アキバにいたのでその足でe☆イヤホンに駆け込み、そのまま修理行きとなりました。。。
この前コネクタ修理出して帰ってきたばっかりだったのに・・・

シェルの修復ですが、どうなるかが分からないということで――

というのも、UE18ProはUE18+Proにモデルチェンジし、さらにコネクタ形状はUE2pinからIPXに変わっているというタイミングの悪さが影響して、帰ってきたときには全く別物になっているかもしれません。。。

UE18+ProにはならなくてもIPXコネクタバージョンで帰ってくる可能性は大いにあるかなー・・・




さて気を取り直しまして、前回に引き続き、第2回です!

(第1回)Technics EAH-T700用リケーブルを作る ~準備編~

工具などの準備は整ったので、次はT700向けのリケーブル作成に必要な部材を揃えていきます。

●半田
●ケーブル
●3.5mmステレオミニプラグ(2個)
●6.3mmステレオプラグ
●熱圧着チューブ

テクニクスのこのT700というのはヘッドホン側が3.5mmステレオミニプラグが使われているので、比較的入手がしやすいかと思います。今回は”試作”ということで、コストはなるべく抑えたいので、各部品は安価な部品で揃えました。

Zonotone 1200Q-Meister Parts for T700

●半田:オヤイデ SS-47 (約1,100)
●ケーブル:Zonotone AVSP-1200Q Meister(2m) (約¥1,700)
●3.5mmステレオミニプラグ:Bispa 金メッキプラグ (¥290x2)
●6.3mmステレオプラグ:ブランド不明 金メッキプラグ (約¥500)
●熱圧着チューブ:ELPA 5mm径x1、8mm径x1 (各¥110)

半田は次回にも流用するのでそこそこのを初めから使っていきます。
そう、このときは、自分の半田付けの腕にはほどほどの自信があったのだ―――

熱圧着チューブはあってもなくても良かったのですが、プラグを漁っていた時に目に入り、使ってみようと思い至ったので使ってみます。

プラグなどはとにかく安く抑えるために物は選んでいません。Bispa、安くていいですね。

肝心要のケーブルですが、今回はZonotone(ゾノトーン)というメーカーのケーブルを使用します。

ポタオデばっかりやっているとそんなに耳にすることのないメーカーですが、ピュアオーディオの世界では必ず選択肢の一つとして挙がってくる超メジャーなオーディオケーブル専門メーカーです。ちなみに日本のメーカーです。
電源ケーブルしか使ったことはないですが、太く重い音に変化するというのが私の印象です。

使用する”1200Q Meister”もまたピュアオーディオ分野のケーブルで、本来は据え置きスピーカーに使用することを想定して製造されているスピーカーケーブルです。

そうです、今回の挑戦はスピーカーケーブルをポータブルに転用する、というのがテーマだったのです!
よって、試作が成功した暁には、超高級スピーカーケーブルを使用してヘッドホン用リケーブルを製作する予定です! 乞う、ご期待ということで。

実はスピーカーケーブルを使用するにあたって、使えるケーブルに少しばかり制約がありまして・・・

スピーカーケーブルというのは右のスピーカーと左のスピーカーに1本ずつ(合計2本)使用することを想定しているため、ケーブル内部の構造如何では使用できないのです。
ヘッドホンの右と左ドライバ用にそれぞれ+とGNDを配線するため、少なくとも内部に4本ケーブルが通っている必要があります。
先ほど記載した通り、2本使用することを想定しているスピーカーケーブルは、+とGND用に2本のケーブルで構成されているものが基本となるため、なかなか試験用で程よいケーブルを見つけることが難しいという・・・

1200Q Meisterは数少ない選択肢の中から選出されたケーブルなのです!(というかほぼ一択・・・)

 

では、作っていきましょうか。

まずヘッドホン側のプラグをケーブルに装着していきます。

ヘッドホンから約40cm辺りの部分で右と左に分岐させたいので、被膜を40cm分剥きます。
青い皮膜の下にはさらに被膜に覆われた4本のケーブルがあるのです。

Zonotone 1200Q-Meister
このとき、スピーカーケーブルには向きがある物があるので注意します。
この1200Q Meisterにも向きが定義されているので、▲の先にヘッドホンがある状態にするように被膜を剥きます。

Zonotone 1200Q-Meister Cutting

で、剥いた状態です。

Zonotone 1200Q-Meister Twisting
一気に40cm剥こうとしたため、抵抗が大きくて、引っこ抜けたときには指に大きな水ぶくれができてしまいました。。。
ヒモがありますが、これは後で切り落とします。

次に、2本ペアにしてネジっていきます。

Zonotone 1200Q-Meister Twisting

こんな感じになりました。
・・・長さが余った。
まぁいいや、次はもっと上手くやるだろう。

次は熱圧着チューブ(5mm)を通します。

さらにコンロで炙ります。
ドライヤーで熱するようなイラストが描いてあったんですが、一向に圧着しないのでコンロを使ってこんな感じで圧着していきます。

Zonotone 1200Q-Meister Broiling

ちなみに炙る前と後ではこんな感じになっています。
Zonotone 1200Q-Meister Broiling

次に3.5mmプラグをくっつけます。
ケーブルの先端の被膜を5mmほど剥き、銅線を剥き出しにします。

Zonotone 1200Q-Meister Soldering

一応銅線部分に半田付けしておきます。予備半田と呼ばれるものだそうです。
・・・なんか、半田しにくいな?

それではとうとうプラグ装着です。

通常、ステレオプラグのピンアサインは、先っぽから順番にL, R, GNDとなっていますが、今回はヘッドホンの特殊アサインで、調べた結果、先っぽから+, GND, アサインなし(右と左共通)となっているようです。

というわけで、その通り半田付けしていきます。

やっぱり半田付けしにくい・・・
半田が溶けないから塗りたくれない。溶けても球ができてポロポロ落ちる。なぜ??

Zonotone 1200Q-Meister Soldering 3.5mm Plug

苦しみながら半田付けを済ませ(右・左の両側)、8mmの熱圧着チューブで見た目を整えてハウジングを締めます。

Zonotone 1200Q-Meister with 3.5mm Plug

なんか、意外と見た目が良いねー(笑)

 

この調子でプレーヤー側の6.3mmプラグも装着します。

こちら側のピンアサインは通常のプラグと同じで、先っぽからL, R, GNDです。左ドライバ用に割り当てたケーブルをLに、右ドライバ用に割り当てたケーブルをRに、両方のGNDに割り当てたケーブルはまとめてGNDに半田付けします。

Zonotone 1200Q-Meister Soldering 6.3mm Plug

――焦がした。

でもちゃんと導通テストはOKなので、これでハウジングを締めます。
というわけで、完成しました~~!!

Zonotone 1200Q-Meister for T700

 

装着イメージ。

Technics T700 x Zonotone 1200Q

なんか、すごくいい(笑)

では早速、試聴~~~
(試聴環境:Marantz HD-DAC1 ソース:USBメモリ内のMP3)

 

Σ

なんと、凶悪な音であることか・・・
まぁそんな評価も数分間鳴らすことでエージングも進み程々にいい感じになってきました。

一言でいうならダイナミック。
当初の予想としては、ゾノトーンならではの重低音寄りの太い音になるか、スピーカーケーブルということで最悪スカスカの音になるかと予想していたのですが、標準ケーブルと比較すると全体的に音が太くなり、また中音~高音よりになった感じになりました。

素材は手抜きでも、この音質であれば意外と需要あるんじゃないか??

商売、なんてのもちょっと考えつつ、今回の試作がうまくいきましたので、本来の目的であるところの超高級スピーカーケーブルを使用してヘッドホン用リケーブルを作り出そうと思います。

次回、本番編。

 

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